不動産売却時に権利証を紛失したらどうなる?代替の手続きも解説

不動産売却

比嘉 康太

筆者 比嘉 康太

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不動産売却時に権利証を紛失したらどうなる?代替の手続きも解説

不動産売却を進めたいのに、重要な権利証(登記済証)を紛失してしまいお困りではありませんか。
権利証は原則として再発行ができないため、このままでは売却手続きが止まってしまうのではないかと不安に感じるお気持ちはよくわかります。
本記事では、権利証が見当たらない場合でも安全かつスムーズに不動産を売却するための具体的な代替手続きについて解説します。
大切な不動産の売却を控えており、手元に権利証がなくてお悩みの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

登記済証とは

登記済証とは

不動産売却で必要な重要書類には主に権利証がありますが、まずはこの基本からおさえる必要があります。
ここでは、権利証の定義や再発行できない理由について、詳しく解説していきます。

権利証の定義とその法的効力について

権利証の正式名称は「登記済証」で、所有権移転などの登記が完了した際に法務局から交付されていた書面です。
一般には、これを持つ方が登記名義人本人であると確認するための重要な確認資料として扱われてきました。
そのため、不動産の売却や担保設定では、登記を申請する方の本人確認に原本が用いられます。
ただし、権利証だけで所有権を完全に証明できるわけではなく、紛失しても権利そのものは失われません。
また、第三者が拾得しても、実印や印鑑証明書などが揃わなければ直ちに名義変更できない仕組みです。
有効期限も設けられていないため、名義が変わるまで大切に保管しておく必要があるでしょう。

受け取る時期と重要な記載事項について

旧制度では、購入や相続によって所有権を取得し、その登記が完了すると、新しい名義人へ登記済証が交付されていました。
司法書士へ依頼した場合は、法務局での処理後に、ほかの完了書類と一緒に郵送などで受け取る流れです。
書面には登記の目的や受付年月日、受付番号など、手続きを特定するための情報が記載されています。
また、所有者の氏名にくわえ、対象となる土地や建物を確認できる内容が示されている場合もあるでしょう。
共有名義では持分ごとに扱いが異なる場合があるため、誰の権利証なのかを丁寧に確認しましょう。
さらに、法務局の登記済印は申請が受け付けられ、登記が完了したことを確認する目印となります。

再発行不可の理由と新制度への移行

2005年の不動産登記法改正とオンライン化に伴い、紙の登記済証は登記識別情報へ順次切り替えられました。
現在は、不動産と登記名義人ごとに設定される12桁の英数字が、通知書に記載される仕組みです。
以前は書面の原本を提出しましたが、新制度では本人だけが知る番号を提供して本人確認を進めます。
そのため、通知書の目隠し部分はむやみに開封せず、第三者に番号を見られないよう厳重に保管しましょう。
なお、登記済証も登記識別情報も、紛失や漏えいが起きた場合に同じものを再発行してもらうことはできません。
しかし、本人確認の代替手続きが法律で用意されているため、権利証がなくても不動産の売却は可能です。

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権利証を紛失した場合に不動産を売却する方法

権利証を紛失した場合に不動産を売却する方法

前章では権利証の基本について述べましたが、実際に紛失してしまった場合の売却方法について、疑問に思われることでしょう。
ここでは、権利証を紛失した場合における、不動産売却の3つの選択肢について解説します。

事前通知制度による法務局の本人確認

事前通知制度は、権利証を添えずに登記を申請した後、法務局が売主本人の意思を確認する方法です。
申請後には、登記簿上の住所へ本人限定受取郵便などで重要な通知書が直接送られてきます。
売主は内容を確認し、通知書に実印を押したうえで、原則2週間以内に所定の方法で法務局へ申し出なければなりません。
この制度は本人確認情報の作成報酬がかからないため、追加費用を抑えやすい点がメリットでしょう。
一方、期限内に返送できないと登記が進まず、決済と同時に所有権移転を確実に完了させにくい面があります。
そのため、一般的な売買では買主や金融機関の了承を得て、日程に余裕を持って選ぶことが大切です。

司法書士を利用した本人確認情報の提供

本人確認情報の提供は、登記申請を代理する司法書士が売主と面談し、本人であることや売却意思を確認する方法です。
面談では運転免許証やマイナンバーカードなどを提示し、顔写真付きの証明書がなければ複数の書類を用意します。
さらに、不動産を取得した時期や経緯、これまでの利用状況などを質問される場合もあるでしょう。
確認結果をまとめた本人確認情報が法務局へ提出されれば、事前通知を待たずに登記申請を進められます。
そのため、決済日に所有権移転を申請しやすく、買主や金融機関も取引の安全性を確認しやすい点が利点です。
ただし、通常の登記費用とは別に報酬が発生するため、金額と必要書類を事前に確認しておきましょう。

公証人による認証を有効に活用する手順

公証人による認証は、売主本人が公証役場へ出向き、公証人の面前で登記委任状などへ署名または押印する手続きです。
当日は顔写真付きの本人確認書類や実印、印鑑証明書など、案内された書類を持参します。
本人確認後に認証文が付されると、事前通知に代わる手続きとして登記申請に利用可能です。
また、司法書士による本人確認情報より費用を抑えられることがある点は、検討しやすいメリットでしょう。
ただし、原則として本人が平日の受付時間内に公証役場へ行く必要があり、日程調整が欠かせません。
買主や金融機関の方針によっては利用しにくいため、売買を担当する司法書士へ早めに確認することが大切です。

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紛失時の手続きの流れと売却に向けた注意点

紛失時の手続きの流れと売却に向けた注意点

ここまで権利証を紛失した場合の売却方法を解説しましたが、具体的な手続きの手順や注意点もおさえておきましょう。
最後に、紛失後の手続き手順と、問題を未然に回避するための注意点について詳しく解説していきます。

紛失届の提出など初動対応の手順について

紛失に気づいたら、まず自宅や貸金庫などの保管場所を確認し、家族や手続きを依頼した専門家にも尋ねましょう。
盗難や持ち去りの疑いがある場合は、警察へ遺失物届または盗難届を提出して記録を残します。
さらに、不正な登記がされる差し迫った危険があるときは、管轄の法務局で不正登記防止申出をおこなう方法も有効でしょう。
申出が受理されると、3か月以内に対象不動産の登記申請があった場合、法務局から通知を受けられる仕組みです。
ただし、この申出だけで登記を自動的に止める制度ではないため、状況に応じて司法書士へ相談しましょう。
売却活動は進められますが、遅くとも売買契約前までに不動産会社へ伝え、代替手続きの準備を始めることが大切でしょう。

専門家の選定と必要書類の収集について

本人確認情報を利用する場合は、所有権移転登記を担当する司法書士を早めに確認し、面談日を調整しましょう。
実務では、買主や住宅ローンを扱う金融機関が指定した司法書士へ依頼するケースが一般的です。
面談には運転免許証などの本人確認書類、実印、印鑑証明書を用意し、案内に応じて住民票なども揃えます。
また、固定資産税の納税通知書や売買契約書など、不動産を取得した経緯がわかる資料も役立つでしょう。
登記上の住所や氏名が現在と異なるときは、住民票の除票や戸籍の附票を集め、変更登記も必要になります。
そのため、書類の取得先と有効期限を事前に整理し、決済直前に不足が見つからないよう準備することが重要です。

費用を抑えるコツと注意すべきポイント

代替手続きの費用は方法により異なり、事前通知は原則無料、公証人の認証は数千円程度が目安です。
司法書士の本人確認情報には別途報酬がかかり、一般には5万円から10万円ほどを見込む必要があります。
ただし、決済日に登記申請を進めやすく、買主や金融機関の安心につながる点も含めて比較すると安心です。
また、売却を決めたら登記事項証明書を取得し、住所や氏名が現在の内容と一致するか確認してましょう。
変更がある場合は、過去の住所をつなぐ住民票の除票や戸籍の附票などの収集に時間がかかることもあるでしょう。
そのため、不動産会社や司法書士と早めに連携し、必要書類と費用を整理して余裕ある日程で準備を進めます。

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まとめ

権利証は登記名義人本人であることを確認するための重要な書類ですが、紛失しても再発行はされない仕組みになっています。
万が一権利証を紛失した場合でも、法務局による事前通知や司法書士への依頼、公証人の認証という3つの代替手続きによって不動産を売却できます。
紛失時は警察や法務局への届出を速やかにおこない、不動産会社や専門家と連携しながら余裕を持って必要書類を準備するとスムーズに取引できるでしょう。

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