底地の売却方法は?メリットやデメリットも解説

不動産売却

普天間 努

筆者 普天間 努

不動産キャリア7年

底地の売却方法は?メリットやデメリットも解説

収益性が低く管理の手間がかかる「底地」の取り扱いや、スムーズな売却方法についてお困りではありませんか。
そのまま放置すると毎年の固定資産税の負担が続くばかりか、将来的な相続時に複雑な権利関係が原因で思わぬトラブルへ発展するリスクも潜んでいます。
本記事では、底地に関する法的な基礎知識をはじめ、売却のメリット・デメリットや成功に導く3つの手順について解説します。
長年抱えていた不安を解消し、ご自身がお持ちの底地をより良い条件で売却したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

底地とは?

底地とは?

底地の売却を検討する際におさえるべき基礎知識には、主に複雑な権利関係と税金があります。
まずは、底地の基本的な定義や、所有者の責任について解説します。

底地の定義と法的違い

底地とは、建物所有を目的として第三者へ貸している土地のことであり、土地の所有権は地主に残ります。
一方で、借地人は土地を利用して建物を持つ借地権を有し、この権利は民法や借地借家法で手厚く保護されるものです。
そのため、地主が契約更新を拒む際には正当事由が必要であり、契約を解除する際には地代滞納などによって信頼関係が破壊されたと認められる事情が求められます。
これに対して貸地は、駐車場や資材置き場として貸す土地も含む、底地より広い実務上の呼び方となります。
建物所有が目的でない貸地には借地借家法が適用されず、契約満了後の返還も比較的進めやすくなるでしょう。
まず、契約書と利用状況を確認して、法的な底地に当たるか整理することが大切です。

所有者の納税義務と責任

底地を地主が自由に利用できない場合でも、固定資産税や都市計画税の納税義務は、課税台帳に登録された地主が負います。
住宅用地のうち、住宅1戸につき200㎡までの部分には小規模住宅用地の特例が適用され、固定資産税の課税標準額は6分の1となる仕組みです。
また、都市計画税も3分の1に軽減されますが、建物の解体や用途変更によって対象外になる可能性があるでしょう。
さらに、境界の確認や境界標の維持も所有者の役割であり、擁壁などで損害が生じれば状況次第で地主へ責任が及ぶこともあります。
売却を見据え、地代収入と税金、管理費を比較し、実際の手取りや将来の負担を早めに把握しておくことが大切です。

基礎知識とトラブル事例

底地では、固定資産税の上昇を理由に地代の増額を求めても、借地人と合意できず調停へ進むことがあります。
こうした問題を残したまま売却すると、買主が将来の交渉費用や手間を見込み、査定条件を慎重に判断するでしょう。
また、建て替えや借地権譲渡の承諾料を巡って認識が食い違い、借地非訟事件として裁判所の判断を求める場合もあります。
相続時の底地評価額は、更地評価額から借地権の価値を差し引いて算出されますが、実際の売却額との差が生じやすい点には注意が必要です。
契約内容や地代履歴、境界、税額を早めに確認し、専門家と課題を整理してから売却を始めることが大切です。

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底地を売却するメリットとデメリットの比較

底地を売却するメリットとデメリットの比較

前章では、底地の基礎知識について述べましたが、そのまま保有するか売却するかで迷われる方も多いでしょう。
ここでは、底地を保有し続ける場合と、売却するメリットとデメリットについて解説します。

収入とリスクの収支概算

底地を保有するメリットは、借地人から定期的に地代を受け取り、比較的安定した収入を得られる点にあります。
住宅地の年間地代は、公租公課の額や土地価格、周辺の地代相場、契約条件などを踏まえて設定されるのが一般的です。
たとえば、更地価格5,000万円の土地で特例適用後の税額が年10万円~15万円なら、地代は年20万円~45万円ほどとなるでしょう。
しかし、表面利回りは約0.4%~0.9%にとどまり、地代の見直しで合意できなければ調停や、裁判に費用と時間がかかります。
滞納が続いても直ちに契約を解除できるとは限らないため、督促の手間まで含めて長期的な収支を考えることが大切です。

資産価値推移と評価減

底地は第三者が自由に利用しにくいため、一般的な更地よりも実際の売却価格が低く抑えられやすい資産です。
相続税評価額は、自用地である更地の評価額を基準に、地域ごとの借地権割合を差し引いて計算されます。
たとえば、借地権割合が60%~70%の地域では、底地の評価額は更地評価額の30%~40%ほどとなるでしょう。
一方で、底地だけを専門業者へ売る場合、売却価格は更地より低くなる傾向にありますが、借地契約の内容や地代、立地などによって異なります。
そのため、相続税評価額と換金額の差を踏まえ、納税資金や手元に残る金額を早めに見通しておくことが必要です。

保有コストと売却の比較

底地を長く保有すると、毎年の税金だけでなく、契約更新や専門家への相談にも時間と費用がかかります。
年間地代30万円を30年間受け取れば総額は900万円ですが、年12万円の税金だけでも支出は合計360万円です。
さらに、更新手続きや相談費用を差し引くと、30年間の純利益が300万円~400万円程度に収まる可能性があるでしょう。
一方で、1,000万円で売却し、その資金を年利4%で運用する場合、30年間の収益が約1,200万円になる試算もできます。
そのため、年間利回りが1%未満の場合や相続への備えが必要な場合、専門家と相談しながら現金化や資産の組み換えを検討することが大切です。

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底地売却を成功させる3つの方法と手順

底地売却を成功させる3つの方法と手順

ここまで、底地を売却する利点や注意点を解説しましたが、実際の取引手順もおさえておきましょう。
最後に、底地売却を成功させるための方法と、手順について解説します。

借地人への直接売却手順

借地人への直接売却は、底地と借地権が一つになって完全な所有権へ戻るため、地主と借地人の双方に大きな利点がある方法です。
借地人は地代や更新料の負担がなくなり、将来の建て替えや第三者への売却も自由に進めやすくなります。
売却価格は、更地の市場価格と借地権の価値を踏まえ、不動産鑑定士などによる客観的な査定額を基準に決めると安心です。
まずは、契約書と現況を確認し、希望価格や引渡し時期、費用負担を整理してから、取得の利点を書面で借地人へ伝えます。
次に、金額や条件を丁寧に話し合い、境界が不明確なら確定測量をおこなったうえで、契約、決済、所有権移転登記へ進む流れです。

借地権者等との一体売却

一体売却とは、地主の底地と借地人の借地権を同時に第三者へ売り、買主へ完全な所有権を渡す方法です。
購入者は権利の制限がない土地を取得できるため、底地だけを売る場合より需要が高まり、条件も整えやすくなります。
手続きではまず、地主と借地人が同じ不動産会社へ依頼し、一般市場で買主を探して同時に売買契約を結ぶ流れとなるのが基本でしょう。
ただし、売却代金の配分割合に一律の決まりはなく、測量費や建物解体費の負担も含めて事前に協議する必要があります。
さらに、合意内容を覚書や協定書に残し、底地取引に詳しい専門家へ調整を依頼すれば、契約から決済まで円滑に進めやすいでしょう。

等価交換や買取業者の活用

等価交換は、地主の底地の一部と借地人の借地権の一部を交換し、分筆後に地主と借地人の双方が完全な所有権を得られる方法です。
まずは、土地を測量し、建物の位置や接道状況を確認したうえで、それぞれが使いやすい分割案を作成します。
次に、固定資産の交換の特例を利用できるか税理士へ確認し、交換契約、分筆登記、所有権移転登記へ進む流れとなるでしょう。
この方法は土地に十分な広さがあり、一部を自宅用や売却用として活用したい場合に向いています。
一方で、できるだけ早期の現金化を優先するなら、複数の底地専門業者へ査定を依頼し、価格や契約不適合責任などの条件を比較して選ぶことが大切です。

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まとめ

底地売却では、建物所有を目的とする貸地という法的定義や、地主の納税義務・管理責任を理解することが大切です。
保有中は地代収入を得られる一方で、低利回りや管理コストを踏まえ、早めに売却して現金化する方法も有効です。
取引方法は、借地人への直接売却や借地権との一体売却など主に3つあるため、専門家に相談して最適な手順を選びましょう。

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